必須栄養素 カルシウム
2024年09月1日
骨を丈夫にする
必須栄養素でミネラルといえば、まず思い浮かぶのがカルシウムだと思います。
カルシウムは体内で最も量の多いミネラルで成人男性の場合、約1 kgあります。
そのうち約99%が骨や歯にヒドロキシアパタイト Ca5(PO4)3(OH) の形で存在します。
残りの1%が血液や組織液、細胞に含まれます。
細胞の多くの働きや活性化に必須の成分です。
また、カルシウムは、血液の凝固に関与しており、血漿(けっしょう)中の濃度は一定に保たれています。
成長期にカルシウムが不足すると成長が抑制され、成長後不足すると骨がもろくなります。
筋肉の働きや脳の活動も
血液凝固や心筋の収縮、骨格筋の収縮、酵素反応、ホルモンや神経伝達物質の放出反応、ホルモンの細胞内情報伝達作用などに関与し、身体のさまざまな機能を調節するはたらきをしています。
これらのはたらきを適切に行うために、血中カルシウム濃度はビタミンD やホルモン(副甲状腺ホルモン・カルシトニン・エストロゲン・男性ホルモン)などによって一定に保たれています。
血中濃度が低下すると骨から補給され、逆に濃度が高まると骨に移動します。
カルシウムとリンは一緒に働いて健康な骨と歯を作ります。
そして体内のカルシウムとリンの割合は2対1に保たれるのが適量とされています。
カルシウムとマグネシウムは一緒に働いて心臓や血管の健康を保ちます。
ビタミンDは腸からカルシウムを吸収するのに重要で、また、腎臓から余分に排出されるのを防いでくれます。
必要な量
1日の所要量—食事摂取基準推奨量は成人男子700~800mg、成人女子600~650mg。
過剰摂取—高カルシウム血症、腎結石、ミルクアルカリ症候群(カルシウムの多量摂取が原因。消化性潰瘍の人が多量の牛乳を飲み、痛みを和らげるためにカルシウムを含む制酸薬を飲んで高カルシウム血症になる)のリスクがあるため、一日摂取許容量2300mgが示されています。
欠乏症—くる病、骨軟化症、骨粗鬆症、肩こりや腰痛、筋肉の痙攣、心不全etc.
俗にイライラの原因をカルシウム不足と言ったりしますが、血液中の量はわずか約0.5gで通常不足する事はありません。
他にいくらでも原因が考えられますので
イライラ≠カルシウム不足
と認識を新たにしたほうが良いです。
多く含む食品—牛乳・チーズなどの乳製品、桜エビ・しらすなどの魚介類、大豆製品、種実類、海藻類、小松菜・チンゲン菜・モロヘイヤ、バジル・タイム etc.
カルシウムといえば牛乳と反射的にイメージしがちですが、他にいくらでも含むものは多いです。
日本人成人が牛乳を摂取することに否定的な論文も多数あります。
ご自身でもよく調べたうえでカルシウムを積極的に摂取しましょう。
食事で摂った栄養は小腸で吸収されますが、このときカルシウムの吸収を促すのがビタミンD。
そしてカルシウムが骨に定着するのをサポートするのがビタミンK。
一緒に摂取して効率的に体に取り込みたいですね。