必須栄養素 ビタミン

2024年07月1日

必須栄養素とは

人類が健康的に生きていく上で必要とする栄養素のうち、体の中で合成することができないか、作っても必要量が足りない栄養素のことです。
ビタミンや必須ミネラル、必須アミノ酸や必須脂肪酸、水などです。
これらは主に食品から摂取しますが、食品だけではすべての種類を十分な量を摂れないので、最近では不足分をサプリメントで補給することが一般的になってきました。

ビタミン

ビタミンと聞いてなにをイメージしますか?
「健康」「活力」をイメージする方が多いでしょう。
ビタミンの「ビタ」(VITA)は、「生命」とか「活力」を意味する言葉で、生命に不可欠な物質という意味で名づけられました。
三大栄養素である脂肪糖質たんぱく質、さらに体の調子を整える主成分のビタミンミネラルを加えて五大栄養素として、人間が生きていくうえで必要不可欠な栄養素の一つなのです。
ビタミンは三大栄養素の代謝を助ける働きをしており、ミネラルと並んで微量栄養素といわれます。
脂肪・糖質・たんぱく質のようにエネルギーになるものではありませんが、それがないと体がスムーズに働かないし、組織を合成することができません。

ビタミンの種類

以下の2種類に分類できます
それぞれよく知られた名称を左側、別の名称を右側に( )で書いてます
水溶性ビタミン
ビタミンB1(チアミン)
ビタミンB2(リボフラビン)
ナイアシン、ナイアシン当量(B3)
ビタミンB6(ピリドキシン 、ピリドキサール およびピリドキサミン )
ビタミンB12(コバラミン)
葉酸(B9)
パントテン酸(B5)
ビオチン(B7)
ビタミンC(アスコルビン酸)


脂溶性ビタミン
ビタミンA(レチノール、α-及び β-カロテン、β-クリプトキサンチン、β-カロテン当量及びレチノール活性当量)

レチノール Retinol
主として動物性食品に含まれます
生理作用は、視覚の正常化、成長及び生殖作用、感染予防等
欠乏:生殖不能、免疫力の低下、夜盲症、眼球乾燥症、成長停止等
過剰:頭痛、吐き気、骨や皮膚の変化等

α-カロテン、β-カロテン及び β-クリプトキサンチン α-Carotene、β-Carotene and β-Cryptoxanthin
レチノールと同様の活性を有するプロビタミンA
プロビタミンAは生体内でビタミンAに転換される物質の総称
カロテノイド色素群に属します
プロビタミンAは主として植物性食品に含まれます
これらの成分は、プロビタミンAとしての作用の他に、抗酸化作用、抗発癌作用及び免疫賦活作用

ビタミンD Vitamin D
ビタミンD(カルシフェロール)は、カルシウムの吸収・利用、骨の石灰化等に関与
きのこ類に含まれるビタミンD2(エルゴカルシフェロール)と、
動物性食品に含まれるD3(コレカルシフェロール)があります
ヒトに対してほぼ同等の生理活性を示しますが、ビタミンD3の方がビタミンD2より生理活性は大きいとの報告もあります
ビタミンDの欠乏により、小児のくる病、成人の骨軟化症等が起こる
プロビタミンD2(エルゴステロール)とプロビタミンD3(7-デヒドロコレステロール)は、紫外線照射によりビタミンDに変換されるが、小腸での変換は行われないです

ビタミンE(α-、β-、γ-及び δ-トコフェロール) Vitamin E
脂質の過酸化の阻止、細胞壁及び生体膜の機能維持に関与します
欠乏:神経機能低下、筋無力症、不妊等が起こる
食品に含まれるビタミンEは、主として α-、β-、γ-及び δ-トコフェロール(α-、β-、γ
and δ-Tocopherol)の4種あります

ビタミンK Vitamin K
ビタミンKには、K1(フィロキノン)とK2(メナキノン類)があり、両者の生理活性はほぼ同等です。血液凝固促進、骨の形成等に関与します
欠乏:新生児頭蓋内出血症等が起こる

 水溶性ビタミンは文字通り水に溶ける性質があります。
万が一過剰に摂取しても汗や尿として体外に排出されやすいので、よほど無茶なことをしない限りは問題になることはありません。
おすすめは1日に3~5回程度に分けて少しずつ摂取することで、体内で一定濃度を保てます。
 脂溶性ビタミンは文字通り脂に溶ける性質があります。
油脂を使って調理すると食物に含まれる脂溶性ビタミンを逃さず摂取できます。
油脂は水分と比べて代謝が遅く体内に長くとどまるので、食事以外のサプリメントを摂取する場合は1日1回で十分です。

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