必須栄養素 ビタミンC

2024年08月1日

壊血病 コラーゲン 美容

ビタミンCは水溶性のビタミンです。
ビタミンC が欠乏すると壊血病になり死に至ります。
壊血病は最も古くから知られている病気のひとつで、紀元前1500年頃に書かれたエ ジプトのエーベルス・パピルス文書に壊血病による歯茎の出血を示すエジプト象形文字が発見されたいます。
壊血病とは、ビタミンCの欠乏によっておこる病気です。
毛細血管が弱くなるために,皮下・粘膜下・骨膜下など全身に出血がおこりやすくなり,貧血をおこします。
また,歯肉が出血してはれたり,関節んだり,全身に無力感が生じたりします。
幼児ではとくにや歯の発育に障害がおこります。
現代の日本では発症はあまり考えられませんが、たとえば大航海時代の船乗りが何か月もビタミンCを含む新鮮な野菜や果物を食べられずにいてビタミンC欠乏に陥り、多くの死者を出していました。
ビタミンCが欠乏するとなぜ壊血病のような症状を引き起こすかというと、体内でコラーゲンが産生できなくなるからです。
タンパク質はアミノ酸でできています。
組み合わさるアミノ酸によりコラーゲンは約20種類に分けられます。
だから体のいろいろな組織に使えるのです。
肉、魚、大豆、卵などを食べると、そこに含まれるたんぱく質は小腸に達するまでにアミノ酸に分解
れます。
アミノ酸は小腸から吸収されて、修復が必要な場所に応じて各種コラーゲンに組み立てられます。この、組み立てる時にビタミンCが必要なのです。
コラーゲンはタンパク質の一種でヒトの体を構成するタンパク質のうち約30%を占めます。
皮膚、腱、靭帯、骨、軟骨、血管、角膜など体のあらゆる組織を構成します。
コラーゲンは繊維状のタンパク質で組織や細胞をつなぎ合わせる接着剤のような役割があり、体の形成や機能の正常化に欠かせない成分です。


皮膚(肌)は表皮と真皮という層で構成されています。
表皮は水分の維持や体温の保持など外界から体を守る役割があります。
真皮は表皮の深層にあり、肌のハリや弾力を保ち、維持する役割があります。真皮の約70%がコラーゲンです。
ビタミンCが美容に関係するのはこれが理由なんですね。
さらに美容に関わるのが次に挙げる抗酸化作用です。

強い抗酸化作用

ストレスや喫煙、負荷の強すぎる運動などによって体内に発生する活性酸素。
これは体にとって毒のような存在で、細胞を傷つけ、がんの発生にも関与します。
そして、メラニン形成細胞の活性にも大きく関わります。
メラニンといえば、メラニン色素。
つまり日焼けやシミなどですね。
皮膚が紫外線を浴びると活性酸素が発生します。
活性酸素を退治した結果、できるのがメラニン色素です。
シミに関しては他の要因(ホルモンや代謝など)も複雑に絡みますが、なかでも活性酸素はシミの大きな要因です。
この活性酸素をビタミンCは抗酸化作用によってやっつけてくれるわけです。
さらに同じく抗酸化作用のあるビタミンEの働きを維持させる役目ももっています。
こういったことから美肌にはビタミンCが欠かせない、ということになるんですね。

抗ストレス作用

さらにストレスを受けた時にもビタミンCは消費します。
ストレスを感じると交感神経を刺激し、体の緊張状態を保ちます。
脈拍や血圧を上昇させて、脳を覚醒させます。
睡眠障害や不眠も引き起こす、ということです。
ストレスにさらされると抗ストレスホルモンのコルチゾールを生産するためにビタミンCが大量に消費されます。
コルチゾールは、副腎皮質から分泌される、生命を維持するために欠かせないホルモンです。
コルチゾールは、一時的なストレスに対応するために、正常な量が分泌されます。
しかし、長期に及ぶストレスを抱え込んでしまうと、過剰に分泌されたり、副腎が疲れて必要なタイミングで分泌ができなくなったりして、やがてストレスに対処できなくなってしまいます。
だから精神的・肉体的ストレスを感じている人にはビタミンCが欠かせないのです。
同じくコルチゾールに関わる作用で抗炎症作用・免疫抑制作用があります。

抗炎症作用・免疫抑制作用

体の免疫反応の一つに炎症があります。
体内に入った細菌やウイルスを排除するために免疫機能が働くと熱や腫れなどの炎症を引き起こします。
こうしたときに、コルチゾールが分泌され、炎症や免疫機能を抑える作用をもたらします。
ちなみに、皮膚が腫れたり、かゆみが出たりする症状がある場合、炎症を止める目的でステロイド薬を処方されることがありますが、この薬はコルチゾールをもとに作られている薬剤です。
長期間に及ぶストレスがある場合は、免疫抑制作用により、免疫力が落ち、感染症やがんなどの発症リスクの増加につながります。
風邪やインフルエンザなどの感染症にもビタミンCの摂取が良いとされるのはこのためです。

風邪やインフルエンザの予防 

風邪やインフルエンザのような感染症のときに大量に摂取すると健康な状態に回復できます。
ロバート F. カスカート医師が、様々な病気の患者11,000名にビタミンCを処方しました。
ビタミンCは大量に摂ると便がゆるみます。これは下痢ではなく、緩下という状態です。
体内のビタミンCが満タンになっていることを示します。
健康な時は1日に4,000mg程度摂れば便がゆるんできます。
しかし、軽い風邪だと25~60g、重い風邪だと60~100g、インフルエンザだと約100g摂らないと便がゆるみません。
これは病気の時に体がビタミンCを大量に消費しているためです。
そして、この量のビタミンCを高濃度点滴すると薬に頼らなくても健康体に復活します。
これは一部の病院で実施しています。
さすがにここまでする必要がある人は限られるとは思いますが、気になる人は検索してみてください。

おすすめの摂取方法

普段の健康な状態でも、ビタミンCには風邪やインフルエンザの予防におすすめですので、積極的に摂りましょう!
ビタミンCは水溶性でどんどん体から出ていきますので、こまめに摂るといいです。
厚生労働省によると、ビタミンCの成人の1日あたりの摂取量として推奨する量は100mgです。
しかし、これは世界共通ではありません。
現代医学の最先端を行くアメリカではもっと多い量を国民に推奨しています。
その量はなんと2,000mg!
日本の20倍ですよ、20倍。
これもアメリカですが、より健康的に過ごすために設定された保険量では500~,5000mgです!
これらの数字を見ると、本当に100mgで足りるのかな?と疑問に思いますよね。
普通に3度の食事でビタミンCを摂ると、100mg程度なら意識して頑張れば可能です。
しかし、2,000とか5,000とか言うと、サプリメントで補わないと不可能です。
ちなみに私は約20年前からビタミンCのサプリメントを摂っています。
毎日だいたい2,000~3,000mgです。
おかげで風邪を滅多にひきませんし、インフルエンザはワクチン打たなくても長らくかかったことがないです。
自分で言うのもなんですが、同年代に比べて見た目が若いです(笑)。
ビタミンCはどんどん体内で消費され、汗や尿から溶け出ていきますのでこまめに摂取しています。
3度の食事の時、朝食と昼食・昼食と夕食の間、寝る前の計6回摂取するよう心がけています。

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