必須栄養素 ビタミンD

2024年08月16日

ビタミンDは脂溶性ビタミンです。
体内でカルシウムの吸収に必要で、骨の健康状態に関係します。
食物などで摂取したビタミンDは小腸から脂肪と一緒に吸収されます。

太陽光線からもビタミンDを得られます。
太陽光線の紫外線が皮膚の脂肪に作用して作り出されて体に吸収されます。
適度に日光に当たることは必須ですが、紫外線に当たりすぎると皮膚がんのリスクがあがるので、季節によって時間帯や長さを注意する必要があります。
5月以降はかなり紫外線量が増えます。

骨と歯を丈夫にする

骨と歯に必要なカルシウムとリンを体が適切に使えるようにしてくれます。
骨には骨芽細胞と破骨細胞があります。
脳から指令が出て骨芽細胞が骨を作ります。
このとき骨の古くなった場所があるとそこを溶かしてます。
これは骨芽細胞の指令で破骨細胞が行います。
骨を作り直す過程で必要ですが厳密に言うと、ビタミンDは破骨細胞を形成させ活性化させ、古くなった骨を溶かして壊す手助けをしているのです。
壊してなくなったところに骨芽細胞が新たな骨を作り直します。
骨を構成する物質の大半はカルシウムです。
体内のカルシウムの99%は骨や歯にあります。
残りの1%は神経筋興奮、血液凝固、生理活性物質の分泌、筋肉の収縮・伸長・興奮性の抑制、
酵素反応、ホルモンや神経伝達物質の放出反応、ホルモンの細胞内情報伝達作用など、
生命を維持する上で重要な働きに欠かせません。
これらの反応を正常に行うため、血液中のカルシウム濃度はビタミンD や各ホルモン(パラソルモン、カルシトニン、エストロゲン、男性ホルモン)などによって一定濃度 に保たれています。
血中濃度は厳格に調節されているため、カルシウムの摂取が不足し、血中濃度が低下すると、骨からの溶出量が増加します。
これらは脳が命令してホルモンを分泌して調整されます。
日光浴とビタミンDは骨に影響を当たるだけでなく、カルシウムが全身で行う生命維持に必要ないろいろな働きにも関わってくるのです。

ビタミンDは小腸からカルシウムの吸収を高め、血中濃度を高めます。
腎臓の働きによりカルシウムの血中から尿への移動を抑制します。
また骨から血中へカルシウムの放出を高めます。

ビタミンAとCを一緒に摂取すると風邪やインフルエンザの予防を助けます。
また、ビタミンAの吸収を助けます。
極度に不足すると、小児では「くる病」といって骨が変形する病気のリスクが高まります。
また、骨軟化症や骨粗しょう症のリスクが高まります。

ビタミンDは体内でホルモンに似た働きをするため、不足すると体内組織の至るところで不調を招いてしまいます。
疲労が抜けなかったり、うつっぽい気分になったりするのもビタミンD不足の可能性があります。
ビタミンD不足をメンタルヘルスに関係しています。
さらに日照時間が短くなりビタミンDが不足しがちなせいで気持ちが落ち込む、季節性うつとも言われる「季節性情動障害(SAD)」は男性よりも女性の方がなりやすいです。
抜け毛、腰痛、筋肉痛もビタミンD不足で起こることがあります。

免疫システムの強化

免疫システムをしっかりさせるために、感染症などを退治してくれる役割を持つビタミンDが欠かせません。
イギリスの医学会ジャーナルに掲載された研究によると、ビタミンD不足が呼吸器感染症を招いている可能性も結果として出ています。
二型糖尿病などの症状を招く可能性が3割増すとも言われています。
また喘息や、脳や脊髄などに病巣ができて、さまざまな症状の再発と回復を繰り返す多発性硬化症(MS)、乳がんなどのより深刻な病気のケアにもビタミンDは不可欠です。
ビタミンDが不足するとエネルギーも不足してきます。
思うように体が動かない ビタミンDの血中濃度が足りていないと、カルシウムの吸収を促進してくれるので、不足していると「体が思うように動いてくれない」と感じることがあります。

筋肉痛がなかなか治らない原因の一つとしてあるのがビタミンD不足です。
ある研究によると慢性的な筋肉痛に悩む人のうち71%にビタミンDの不足が判明しています。
ビタミンDの摂取量が高い人は、筋肉が丈夫で健康な場合が多いです。
さらに余計な体脂肪をため込むことも少ない傾向にあります。

ビタミンDを多く含む食品

ビタミンDは魚の肝油、しらす、いわし、鮭、まぐろ、牛乳、乳製品、キノコ類などに多く含まれています。
これらにはカルシウムも多く含まれています。
しいたけやマッシュルームのようなきのこに限っては天日干しするとビタミンDの含有量を増やすことができます。
紫外線が当たるだけで強化されるのです。

偏食の方はサプリメントを効果的に利用してください。

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